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【追悼】超良血の問題児 ドゥラメンテ
みなさんこんにちは(´-﹏-`;)ウマナミです
もう9月ですよ。2021年も2/3が終わったとか早すぎですね。
さて、先日とても残念なニュースが飛び込んできました。
2015年の皐月賞とダービーを制した二冠馬、
ドゥラメンテ
が、種牡馬として繋養されていた社台スタリオンステーションにて亡くなったとの一報が…。
原因は急性大腸炎との事。
ナリタブライアンもそうでしたが、草食動物のサラブレッドは腸管が長いため腸の疾患にかかりやすいそうです。
まだ九歳と種牡馬としてはまだまだこれからたくさんの後継馬を送り出してくれると期待していたので本当に残念です…。
そこで今回はドゥラメンテ追悼の意味も込めて
ドゥラメンテ物語。
ゴルシは一旦おやすみということで、ドゥラメンテという素晴らしい競走馬を皆さんに知ってもらえたらと思います。
それではどうぞ。
母アドマイヤグルーヴはエリザベス女王杯を連覇、祖母エアグルーヴもオークス、天皇賞(秋)を勝った名牝で、父は言わずとしれた『大王』こと、キングカメハメハという日本競馬屈指の良血馬。
名前の由来はイタリア語で「荒々しく、はっきりと」という意味との事。
名は体を表すと言われますが、ドゥラメンテはまさに荒々しい気性でゲート内で暴れたりするような競走馬だったとの事です。
血統的にデビュー前からの期待も高かったドゥラメンテですが、身体の成長過程がいまひとつだった事もありじっくりと育成することを信条とする美浦トレーニングセンターの堀宣行厩舎に入厩。
二歳の10月にデビュー戦をむかえたドゥラメンテ。
これだけの超良血馬ですから当然のように圧倒的な一番人気に推されるのですが、ここでも気性の悪さが顔をのぞかせ痛恨の出遅れ、結果2着となってしまいます。
更に次の未勝利戦ではゲート内で大暴れ。しかしレースは先行策から直線で一気に抜け出すとあっという間に6馬身の差を付けて完勝。ただし、ゲート再審査のおまけつき(笑)
才能も気の悪さも相当なものを感じさせる二歳シーズンとなりました。
年が明けて1月、三歳初戦に選んだのはセントポーリア賞。
直線ではそっぽ向いたまま走って2着に5馬身差の圧勝。
能力の違いを見せつけたドゥラメンテ陣営が次戦に選んだのは共同通信杯。
中一週のローテーションにはなりますが、皐月賞まで間があるのと直線に強いドゥラメンテは直線の長い東京競馬場が向いているとの狙いがあったとか。
珍しくスタートを決めたドゥラメンテでしたが、ここでも気性の悪さが顔を出し、その勢いのまま掛かってしまいます。
そこで体力を消耗したドゥラメンテ、最後に差され2着となってしまいます。
皐月賞へ出走するには若干賞金が不安でしたが、無理なローテーションを避けたい陣営は除外覚悟でトライアルレースを使わずに皐月賞へ登録します。
そして無事に出走できたドゥラメンテはここでとんでもない走りを披露することになります。
鞍上には陽気なイタリアンことミルコ・デムーロ騎手。イタリア語が由来のドゥラメンテにイタリア人のジョッキーとはシャレオツな初コンビ。
そんなイタリアンコンビはなんと4コーナーでスピードに乗りすぎたのか、思い切り外に吹っ飛んでしまいます(笑)
しかしそこからが凄かった。
距離が短く急勾配の上り坂がある中山競馬場の直線。
その直線で見せた最後の末脚はまさに
『他の馬が止まって見える』
そんな表現がぴったりの鬼脚を繰り出し、最後の600m、いわゆる上がり3ハロンのタイムは驚愕の
33秒9
これはディープインパクトの皐月賞よりも早いタイムです。
『これほどまでに強いのか!』とアナウンサーが絶叫するほど(笑)
更に上がり3ハロン2位のタイムが
34秒5
という事を考えると、なんかもう破格すぎて色々とおかしい(笑)
更に鞍上のデムーロ騎手は吹っ飛んだ斜行が災いし騎乗停止処分を受けてしまうというオチもつきました(笑)
デムーロ『裁決員スゴイ怒ッテタヨ(苦笑)』
当たり前だ(笑)
そして迎えた日本ダービー。
皐月賞のパフォーマンスもあり当然一番人気で望むことになりますが、一部ではその激しい気性から距離を不安視される声も聞こえていました。
しかし、ここでもドゥラメンテはとてつもないレースを披露することになります。
不利とされる外枠からスタートし外々を周り直線へ。
皐月賞で見せたあの鬼脚が東京競馬場の直線でも炸裂。
あっという間に抜け出し見事に二冠達成となります。
勝ちタイムは
2分23秒2
これは父のキングカメハメハが出したレコードを更新するダービーレコードとなります。
この時の世界的な評価(レーティング)は三冠馬オルフェーブルやディープインパクトよりも高かったそうですがはたして…。
鞍上のデムーロ騎手は2回めのダービー勝利となりますが、今回はJRA所属となってはじめてのダービー制覇だったこともあり、
デムーロ『あの時(2003年)はガイジン騎手だった。JRAの騎手になれて本当によかった。日本の騎手になった実感が湧いた(泣)』
と見せた涙は、エイシンフラッシュの天皇賞での最敬礼やヴィクトワールピサでドバイワールドカップを勝った時のガッツポーズと並び、本当に絵になるジョッキーだと感じた瞬間です(笑)
いちいちかっこいいですよねイタリアンは(笑)ずるい
さて、その後のドゥラメンテは怪我に泣かされ三冠挑戦も凱旋門賞挑戦もならず。
復帰するものの万全な状態へは戻らず、翌年の宝塚記念で再び怪我をしてしまい、競走馬としての生活を終えることとなります。
その圧倒的なポテンシャルと狂気じみた気性の悪さが混同していたドゥラメンテ。
激しい気性の種牡馬は成功例が多く(サンデーサイレンス・ステイゴールドなど)種牡馬としても期待されていただけに、まだ9歳と若くしてこの世を去ったのが残念でなりません。
個性的な名馬がまた一頭。心からの冥福を。
今回も最後までご覧いただきありがとうございました。
それではまた来週。
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